プロジェクト埼アニｰHoudini編ｰ

今年度から新たに加わったメンバーとともに社員一丸となってオリジナルPVを鋭意作成中です！
今回は弊社魔術師見習いの山口力作、Houdiniで制作中のエフェクトを制作過程と共に一部公開！！！

今回は、どこか見覚えがある形の石板に降り積もる砂埃がどうやって作られていくのか追っていきたいと思います！

・「RENDER」：MAYAからFBX形式で読み込んだカメラなどのデータ
・「ABC」：MAYAから読み込んだアレンビックキャッシュ、アニメーションがベイクされているモデルのデータ
・「SIM」：読み込んだデータにかける物理演算などのシミュレーションデータ
大きな流れとしてはこの３つのデータを組み合わせることでMAYAと同じ環境を再現し、シミュレーションをかけてアニメーションに反映させることができます！
どのようにシミュレーションをかけているのか、ひとつずつ細かく見ていきましょう！

｢ABC｣データの｢sand_base｣内には砂の元になる粒々を作るための石板が入っています。リアルな砂に見えるよう2種類の大きさを用意し｢SIM｣データの｢sand_SIM｣で呼び出すことでMAYAで作られたアニメーションデータに物理演算をかけていきます。
Houdiniでは「ノード」と呼ばれるものに命令文を与え組み合わせてあげることで、これらの処理をおこなってくれます。
**※ノードの内容が気になる方はお手数ですが「新しいタブで画像を開く」または「画像を保存」してご覧ください。**

砂の動きを再現したノードを作りアニメーションに反映させたいのですが、用意したままのモデルデータの状態だと物体がメッシュを貫通してすり抜けてしまいます。このままの状態だと物理演算が乗らないのでコリジョンを設定し剛体にしてあげる必要があります。
この処理を挟むことで砂の粒々が石板に乗るようになりました！

このままだと、粒ひとつの形が完全な球体のままなのでリアルにするために砂粒を別途作成しています。
この作成した砂の元になるノードをアニメーションしている動きと一致させる為にシミュレーションしている粒々ひとつずつにコピーして反映させてあげています。

この２つのノードを合体させることで、物体に砂が乗った状態を再現することができるようになるんですね！
実際にシミュレーションした結果はこちらになります！！

・シミュレーション結果(左)　書き出したものをアニメーションに合成(右)
石板の表面をサラサラと落ちていく表現はまさに砂そのものですね！
指でなぞった跡が残っているのもとてもリアルです！
こちらのシミュレーション結果をAfterEffectsで合成して実際のアニメーションに反映させていきます。
エフェクトが加わることで画面に説得力が増し、一気に現実感が出てきましたね！
これらのエフェクトがどのように埼アニムービーに登場するのか楽しみです！！

■担当者コメント■
代表の補佐をしている山口です！この度はじめてHoudiniを使用してエフェクトを制作することになりました。
開発を始めた当初はわからないことだらけのHoudiniで、未だ慣れないことばかりではありますが楽しくやらせてもらってます！
この業界、日々勉強！勉強！ですね★
もしこのページを読んでくださったお客様の中にHoudiniに詳しいお医者様がいらっしゃいましたらコメントでご教授いただけますと幸いです！
始めて使用したHoudiniですがノードベースということで、組み終わった後から差し替えや改変が容易である点に大きな魅力を感じています。無料版もあるので3DCG業界を目指す学生は余力があればぜひ触ってみることをお勧めします！！
ここだけの話ですが、今回の動画制作にあたって実は石板と砂埃が登場する予定は当初ありませんでした。
お酒の席で「石板にロゴ掘って砂がサラサラ～っとしたら素敵じゃない？」という何気ない会話から実現していきました。
そういった点でも今回ご紹介しているカットは思い入れのあるものに仕上がりました。
何気ないアイデアも採用し実現までもっていってくださったチーフディレクター、対応していただいたメンバーに感謝です！！
これからもチーフディレクターはじめ多才なチームメンバー、強烈な負荷に耐え続けているグラフィックボードたちと共にHoudini道を歩んでいきたいと思います。

次回、今回登場したどこか見覚えのある石板の制作秘話を公開予定！
今後もパワーアップしていく埼アニに乞うご期待ください！！！！！！